最近は共働き世帯が多く、結婚後、出産後も仕事を続ける女性が増えてきています。
私たち夫婦も1人目の子供が産まれたばかりですが、共働きです。
妻は現在育休中ですが会社は辞めていません。
夫婦共働きで子育て中。
そんな環境の中、新築マンションを購入しました。
住宅ローンは夫婦で組みました。
ローンを組む時に悩んだのが、ローンの組み方です。
夫婦で住宅ローンを組む場合、大きく分けて3パターンの組み方があります。
ペアローン、連帯債務、連帯保証です。
連帯保証の場合、奥さんは住宅ローン控除も受けられないし、団信にも加入できず、メリットがあまりありません。
ファイナンシャルプランナー、不動産会社、銀行にローンの組み方の相談をしましたが、連帯保証をオススメする人は誰もいませんでした。
悩む時間がもったいないので、連帯保証は最初から選択肢から除外していいと思います。
ということで、今回はペアローン、連帯債務に絞って解説していきます。
ペアローンのメリット・デメリット
ペアローンとは?
ペアローンとは、その名の通り夫婦それぞれでローンを組む方法です。
夫婦それぞれが借入金額に対して独立したローンを組みます。
◎夫婦で4,000万円の借入をする場合
夫:3,000万円、妻:1,000万円
夫婦ともに2,000万円ずつ
夫:1,500万円、妻:2,500万円 など
持分は、それぞれの借入限度額内であれば自由に設定できます。
ペアローンのメリット
①住宅ローン控除を夫婦ともに受けられる
ペアローンの場合、それぞれの借入金額に応じて住宅ローン控除が受けられます。
住宅ローンの控除額を最大限にしようと思えば、夫婦の借入額の割合=夫婦の収入の割合にした方がお得です。
たとえば夫の収入600万円、妻の収入400万円であれば、借入の割合は夫6:妻4が理想的です。
ただし、これは奥さんがローン完済まで仕事を続けることが前提になります。
近い将来、奥さんが仕事を辞める可能性があるのであれば旦那さんの割合を多めにしておいた方が無難です。
仕事を辞めてしまえば、収入がなくなるので住宅ローン控除が受けられなくなってしまうからです。
収入がない状態で妻の借り入れが多く残っていると、夫が妻のローン返済を肩代わりしていると見なされ贈与税が課せられる恐れもあります。
住宅ローン控除の仕組みをよく理解しておくことも大切です。
住宅ローン控除は借入残高の1%もしくは所得税+住民税の低い方の額が控除される仕組みです。
控除期間の10年間、毎年40万円引かれると思っている人もいるようですが、これはあくまで最大控除額です。
借入残高が4,000万円以上あったとしても、収入が少なければ所得税+住民税が40万未満ということもあり得ます。その場合、住宅ローン控除はフルで受けられません。
夫婦共働きということが前提であれば、住宅ローン控除は満額にならなかったとしても夫婦ともに受けられるので大きなメリットとなります。
②夫婦ともに団信に加入できる
ペアローンであれば、それぞれの借入金額に応じて団信(団体信用生命保険)に加入することができます。
夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合、亡くなった方のローン残額返済は免除されます。
夫が亡くなった場合、夫が残したローンの返済はなくります。
ただし、妻のローンは残ります。
夫婦のどちらが亡くなっても、その後のローンの返済が困らなくて済むような配分でローンを組みましょう。
金銭的に団信だけで不安な場合は、別途生命保険に加入しておいても良いと思います。
ペアローンのデメリット
①諸費用が夫婦それぞれにかかる
ペアローンの場合、夫婦別々にローンを組むことになります。
そのため、ローンの契約も2本になります。
となると契約時にかかる事務手数料、登記費、印紙代といった諸費用もそれぞれにかかり一人でローンを組むよりも2倍の諸費用がかかります。
②夫婦どちらかの収入がなくなるとローンの負担が大きくなる
ペアローンの場合、夫婦それぞれでローンの返済をするので夫婦ともに働き続けることが前提となります。
しかし、夫婦生活をしていたら出産、育児といったライフイベントが発生する可能性があります。
ライフスタイルが変われば今までのように共働きが難しくなるかもしれません。
夫婦のどちらかが育児に専念し仕事を辞めて収入がなくなるとローンの返済が厳しくなります。
自力でローンの返済ができずに、夫または妻の収入からローンの返済を行うと贈与とみなされ贈与税が課せられる可能性があります。
ペアローンを組む場合、将来設計をした上でローンの割合を組む必要があります。
連帯債務のメリット・デメリット
連帯債務とは?
連帯債務とは夫婦で1本のローンを組む契約です。
ローンの返済義務は夫婦ともに発生します。
ただし、ローンの契約者は夫または妻のいずれか1名のみです。
夫がローンの契約者になった場合、妻は連帯債務者として登録されます。
ローンは夫の口座から毎月引き落とされます。
名目上は連帯債務なので妻にも返済義務はありますが、正直妻もローンの返済をしているのか、夫単独でローンを支払っているのかは銀行では判断できません。
銀行からしてみれば毎月ローンが振り込まれたらそれでOKです。
夫婦でいくらずつ支払うのか、何体何の割合で支払うのかは夫婦間で自由に設定できます。
連帯債務のメリット
①諸費用を抑えられる
ペアローンと違い連帯債務の場合、契約は1本のみです。
そのため契約時にかかる諸費用が1本分で済みます。
諸費用とは事務手数料、融資手数料、印紙代といったものでローンの返済とは無関係の出費です。
その割に数十万円もするので、できるだけ抑えておきたい金額です。
②ライフスタイルが変わる可能性がある夫婦に向いている
ローン契約時は夫婦共働きでも、返済が終わるまでずっと共働きが続くとは限りません。
特に女性の場合、出産といった身体に大きな負担がかかるイベントが発生する可能性があります。
産休、育休を取って職場に復帰すれば問題ありませんが、出産を機に退職することや育児が大変で仕事を辞める可能性があります。
ペアローンであれば、収入がなくなっても妻の返済額は変えられません。
連帯債務であればローン自体は1本しか組んでいないので、妻がいくら返済しなければいけないのかという決まりはありません。
というより引き落とし口座が1本なので、夫婦でいくらずつ出しあっているのかというのは確認しようがありません。
ただし、妻の収入がなくなった場合、ペアローン同様、贈与税が課せられる恐れはあります。
贈与税は1年間で110万円の基礎控除額があるので、妻の持ち分が年間110万円以下であれば気にしなくてもよいです。
将来、夫または妻のどちらかが仕事を辞める、あるいは収入が減る可能性が高い場合はペアローンよりも連帯債務の方が気が楽なのではないでしょうか。
③住宅ローン控除は夫婦ともに受けられる
ペアローンと同様、連帯債務の場合も住宅ローン控除は夫婦ともに受けられます。
控除額は、登記時の持分の割合によって変わります。
持分の割合の決め方は、夫婦の収入の割合と同じにするか、夫の割合を実際よりも多めにするのが一般的です。
妻の割合を大きくしてしまうと収入がなくなった場合、控除が受けられなくなってしまうからです。
連帯債務のデメリット
①団信は主たる債務者しか加入できない
ペアローンの場合、夫婦ともに団信に加入しますが、連帯債務の場合、団信に加入できるのは主たる債務者のみです。
夫メインで契約した場合、夫が亡くなった場合ローン残高の支払いは全額免除となります。
しかし、連帯債務者である妻が亡くなった場合、ローンの残高は無くなりません。
妻に万が一のことがあった場合、ローンの支払いができなくなってしまう恐れがある場合は、妻に生命保険に入ってもらう、家を売却する等、対策を考えておいた方が良いです。
②取り扱っている金融機関が限られている
連帯債務は金融機関によっては取り扱いをしていません。
審査を受ける際に、連帯債務での借り入れが可能か確認する必要があります。
ペアローンと連帯債務どちらがオススメ?
共働き夫婦が住宅ローンを組む場合、結局のところペアローンと連帯債務のどちらが良いのでしょうか?
結論から言うと私たち夫婦は連帯債務でローンを組みました。
なので個人的には連帯債務の方をオススメします。
私たち夫婦の場合、現状共働きをしています。
妻は現在育休中で来年から復職予定です。
今のところ仕事を辞める予定はありませんが、育児の状況次第では退職する可能性もあります。
ペアローンより初期費用が安く済むという点とローンの引き落とし口座が1本でまとめられる点がメリットだと考えています。
ペアローン、連帯債務、連帯保証の違いまとめ
最後に、ペアローン、連帯債務、連帯保証の違いについて表でまとめておきます。
ペアローン | 連帯債務 | 連帯保証 | |
借り方・返し方 | 夫婦別々にローンを組む。それぞれ借りた金額の返済を行う。 | 2人の年収を合算して借入額を増やすことができる。夫婦ともに返済義務が発生する。 | 2人の年収を合算して借入を増やすことができる。借りるのは夫または妻のどちらか一人。主債務者が返済不能になった場合、配偶者が返済義務を負う。 |
住宅ローン控除・ すまい給付金 | 夫と妻それぞれ申請可能 | 夫と妻それぞれ申請可能 | 主債務者のみ申請可能 |
諸費用(初期費用) | 夫婦ともにかかる | 主債務者のみ | 主債務者のみ |
団体信用生命保険 | 夫婦それぞれ団信に加入する | 主債務者のみ団信に加入する | 主債務者のみ団信に加入する |
所有権 | 夫婦の共有名義 | 夫婦の共有名義 | 主債務者のみの名義 |