講演会が開かれた川西ってどんなところ?
2019年5月4日(土)兵庫県川西市キセラホールで開催された
キングコング 西野亮寛さんの講演会に行ってきました。
西野さんの講演会やイベントに参加するのは初めてでしたが
1,000人規模のホールが満席になるほど、かなりの人気でした。
開場から開演まで1時間ちょっとの時間がありましたが、その間周りの人は西野さんや絵本について熱く語り合う人たちが多く、活気に満ちていました。
川西市と言えば、西野さんの地元です。
つい先日、西野さんの新作絵本『チックタック 約束の時計台
』が発売されましたが
この絵本の舞台になっているのが川西市にある満願寺です。
“願いが満ちたお寺”と書いて満願寺。
名前だけでも、とってもロマンチックですね☆
絵本のチックタックでは満願寺の毘沙門天前で主人公とヒロインが見つめあいながら手を繋いでいるシーンが印象的です。
主人公とヒロインを真似て、絵本と同じポーズで写真を撮影するカップルが増えてきています。
ちょうど今、満願寺で『チックタック ~光る絵本と光る満願寺展~』が開催されています。
ライトアップされていて夕方から夜にかけては幻想的な景色を堪能することができます。
西野亮寛さんの講演会に行こうと思ったきっかけ
みなさん、キングコング西野といえば、どのようなイメージを思い浮かべますか?
世間一般的には、大口を叩いて高感度の低い炎上キャラというイメージが強いと思います。
私も、最近までは西野さんのことは、どっちかというと嫌いでした。笑
他人を批判したり、できもしないことを言って注目を浴びたいだけの人だと思っていました。
印象が変わってきたのは、『えんとつ町のプペル』がヒットして再注目されるようになってからです。
当時は西野さんのことは全く興味がなく、クラウドファウンディングの存在すら知りませんでした。
そんな西野さんに興味を抱きだしたのは、おそらくテレビかなんかでプペルの制作秘話の特集を見たことがきっかけだと思います。
今まで芸能人、芸人が自叙伝や暴露本、小説を書いてヒットしたという話は度々耳にしていましたが
絵本でヒットという話は初めてでした。
しかも、40万部近く売れるほどの大ベストセラー。
ストーリーは知らないけど、絵がめちゃくちゃ綺麗。(最初は分業制だと知らず、本人が描いたのかと思っていました。)
世間的には好感度が低い芸人が、どうやって多くの支持を集めて、これだけのヒット作を打ち出すことに成功したのか?
そんなことから徐々に西野さんへの興味が湧いてきました。
芸人としてではなく、ビジネスマンとして見るようになるようになったのです。
最終的に講演会に行こうと思った決め手は
西野亮寛さんの著書『革命のファンファーレ 現代のお金と広告
』でした。
書店でなんとなく手に取って立ち読みしたら、一気に引き込まれました。
内容は完全にビジネス書でした。
私が今まで知らなかったマーケティング手法と信用とお金の定義について詳しく書かれていました。
これは是非、会ってリアルタイムで本人の話を聞いてみたいなと。
ちょうど良いタイミングで、たまたまポストに投函されていた無料のローカル新聞を開くと講演会の広告が載っていました。
広告を見て行くことを決めました。
講演会の内容は?
結論から言うと行ってよかったです!
90分という限られた時間でしたが、テンポの良い語り口で、たとえ話がわかりやすくて面白い。
しかも、しっかりと自分のためになる内容の濃い時間を過ごすことができました。
内容としては基本的に『革命のファンファーレ 現代のお金と広告
』と最新刊『新世界
』に沿ったものでした。
簡潔に言うとお金と信用の話です。
西野さんはお金とクラウドファウンディングについて次のように定義しました。
お金とは何か?
→信用を数値化したもの
クラウドファンディングとは何か?
→信用をお金に両替してくれるもの
これだけでは、いまいちピンときませんよね?
西野さんはクラウドファンディングで資金調達に成功し、見事絵本を大ヒットさせました。
一方で、知名度が高くてもクラウドファンディングに失敗した芸能人もいます。
無名の一般人でも芸能人以上の資金調達に成功した人もいます。
その違いは何か?
それはその人の信用度が高いか、低いかの差です。
プロジェクトの良し悪しは、あまり関係ありません。
そのことを証明する事例として、ホームレスの小谷さんという方を紹介されました。
小谷さんの話は『新世界
』にも書かれているのでネタバレが嫌な方は、ここから先は読まないでください。
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(左がホームレス小谷さん。右が西野さん。)
この日の講演会でゲストとして登場されました。
写真撮影OKだったので、遠くから撮影しました。
画像が粗いのでわかりにくいですが・・・
服装を見ただけで明らかに怪しい人ですよね!笑
この方、実はクラウドファンディングで何度も成功を収めてきているそうです。
西野さんの定義によるとクラウドファンディングの資金調達に一番必要なものは信用です。
全身赤い格好の変なオッサン。
ホームレスなのに肌ツヤが良いし、食べ物に困っているどころか太っている。
普通に考えたら、どう見ても信用できません!笑
この怪しいホームレスのおじさんが、結婚式を挙げるために資金調達を行いました。
その結果はなんと・・・3週間で250万円もの資金集めに成功したのです。
誰がそんなに寄付してくれるの?
ホームレス小谷さんが、これほどの資金調達に成功したのには訳があります。
彼は、クラウドファンディングを行う以前、数年間、多くの人から信用される活動をしてきました。
それは、自分を商品として1日50円で販売していたのです。
フリマアプリ『BASE(ベイス)』で彼は自分の1日を50円で出品していました。
購入者は彼に家や指定の場所に来てもらい、1日仕事をしてもらいます。
内容は草むしりや鬼ごっこの数合わせ等、多岐に渡ります。
購入者側としては50円の注文なので、ホームレス小谷さんに対して過度の期待はしていません。
草むしりをお願いしても、業者ほどのクオリティは求められません。
しかし、人間の心理として、たった50円で長時間労働をさせておくのは気が引けてしまうものです。
そこで、購入者はお昼になると昼食をおごり、ついでに、夜までごちそうするといった行動に出ます。
もちろん、これは小谷さんが要求したのではなく、購入者の方が自発的にそうするのです。
赤の他人でも、丸一日自分のために、ほぼボランティアに近い行為をしてくれることで感謝が生まれます。
あとは、小谷さん自身の人柄も良いのでしょう。
購入者は小谷さんのために、給料を払う代わりに何かしてあげたくなるのです。
なぜなら、小谷さんが50円以上の価値を購入者に提供したからです。
ここでのポイントは自分の価格を50円に設定したという点にあります。
もし、日給8,000円で働きます。日給1万円で働きます。
といって自分を商品化したらどうなっていたでしょう。
見ず知らずの人に1万円払ってでも来てほしいと思いますか?
そんな人はあまりいないでしょう。
仮に頼んだとしても、1万円支払うんだから、ちゃんと働け。
食事くらい自分でなんとかしろと思われる可能性があります。
1万円の対価を求めるのであれば、1日働いても当然のことをやっただけと思われます。
そこに信頼関係は生まれません。
プロ野球選手を例に挙げるとわかりやすいかもしれません。
複数年契約したばかりの高額年俸の選手が、怪我をして全く試合に出られなかったらどう思いますか?
あるいは身体は健康でも不振に陥って戦力にならなくなったらどうなりますか。
間違いなく叩かれますよね?
給料泥棒だの、1球投げるだけで何千万円だのひどいバッシングを受けます。
信用は完全に失われます。
それでは、極度の不振とまではいかなくても、高額年俸の選手が打率.280くらいの無難な成績で終わればどんな反応をされますか。
叩かれはしなくても、最低限の仕事をやっただけと評価され、信用度が上がるわけではありません。
では、年俸1,000万円前後の無名選手が1軍で大活躍すれば、どうなりますか?
大活躍とまでいかなくても、そこそこ活躍してくれただけでも賞賛されます。
高額年俸をもらう選手が打率.280であれば落第点になるかもしれませんが、今まで一軍で活躍したことのない選手が.280打てば、賞賛されるのではないでしょうか?
その選手の価値は上がり、信用も上がります。
かといって、活躍できなくても世間から叩かれることはありません。
それはその人に求められた期待値が低いからです。
話を戻すとホームレスの小谷さんは、自分の価格を50円に設定することで求められる期待値をあえて下げるという戦略を取りました。
購入者の心理としては、知らない人だしあんまり期待もしてないけど、50円なら試してみようかなという気になります。
そこで実際に小谷さんが現れると、プロ並みの仕事はできなくても、それなりに仕事はこなしてくれます。
購入者からしてみれば、50円で頼んだ割には、思ったよりきっちり仕事してくれるなと思い、そこに小谷さんに対する信用が生まれたのです。
ホームレスの小谷さんが結婚式を挙げるために250万円の資金を調達しました。
さて、だれが寄付してくれたでしょう??
もう、答えはわかりますよね?
正解は、今まで小谷さんを50円で買って来ていた人達です。
小谷さんは50円で働くことで、お金を稼ぐ代わりに、多くの信用を集めていたのです。
西野さんはクラウドファンディングを「信用をお金に両替してくれるもの」と定義しました。
ホームレス小谷さんは、お金を貯める代わりに多くの人から信用を貯め続けていました。
そのため、いざお金が必要になった時に小谷さんが呼びかければ、自然とお金が集まってくるのです。
クラウドファンディングの中には、世のために熟考されたプロジェクトでも資金が集まらない企画もあれば、私欲を叶えるための企画でもあっという間に資金が集まる企画もあります。
その差は何か。
それは、発起人に対する信用度合いの違いです。
私はこのことから、「何をするか」よりも「誰がするか」の方が重要であることを学びました。
良いアイデアがあるのに、認めてもらえない、評価されないと感じている方は、アイデア以前にまず自分の信用を高める努力をした方が、夢を叶える近道になるかもしれませんね。
お金を理由にやりたいことを諦める時代は終わる!?
一昔前までは、一般人が高額の資金を調達して夢を叶えるということは不可能に近い状態でした。
- お金がないから諦める
- お金が貯まるまで我慢する
そんな時代が終わろうとしています。
現に今はホームレス小谷さんのように、お金がなくても無名の人でも十分な資金を集めてやりたいことを実現している人も増えてきています。
これからの時代、信用が力を持ち、「信用持ち」が時代を獲る。
と西野さんは発言しています。
YouTuberやインスタグラマーといったSNSにおけるインフルエンサーは何でお金を稼いでいるか知っていますか?
YouTubeであれば広告収入もありますが、それだけではありません。
企業がインフルエンサーにお金を払って自社商品のアピールをしてもらっているのです。
自社でCM流せばよいのに、なぜ一般人であるインフルエンサーにお金を払ってまで商品をPRしてもらうか。
それはCMよりもインフルエンサーの方が信用されているからです。
広告代理店が作り上げたCMは商品のイメージを良くすることだけに注力しています。
ネットやSNSが普及する前の時代であれば、なんとなくイメージに流されて商品が売れていましたが
今はちょっと調べてば口コミが出てくるし、デメリットについてもすぐにバレます。
では、なぜインフルエンサーの意見が支持されるかというと、そこに嘘がないからです。
SNSで有名になった人は、なんでもかんでも、これいいよ!あれいいよ!という人より
良いものは良い。悪いものは悪いと正直に言う人が多いです。
視聴者からすれば、その人が紹介する商品であれば、買ってみようかなという気になります。
信用を勝ち取った人のもとには自然とお金が集まってくる。
今後益々、そんな時代に突入していきそうですね。




