駅近物件はオワコンか?コロナ&自動運転がもたらす不動産投資の未来

もにゅら
不動産投資を始めたり資産価値を求めるなら、駅近物件は今後おすすめしないという話をします。
  • 駅近物件の不動産投資を検討している人
  • 住み替え前提に駅近物件の購入を考えている人
そんな人に向けて記事を書きました。

beforeコロナとafterコロナで勤務形態は大きく変化

私は大阪市内まで電車通勤をしています。

新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出されてからも、テレワークの日数は少なく(週1~2日)、基本的に出社していた残念な(?)サラリーマンです。

beforeコロナ、緊急事態宣言期間、afterコロナ、いずれの期間も電車通勤して気付いたことがあります。

特に大きな意味があるのは緊急事態宣言が解除された後も、通勤電車の利用者数は減ったままということです。

電車に乗らなくていいなら、駅近に住む必要なくない?ってなりますよね。

beforeコロナ~afterコロナまでの電車利用者数の推移について詳しく話します。

beforeコロナの通勤電車

私は地下鉄で大阪市内のビジネス街に通勤しています。

コロナの影響が出る前の2020年2月くらいまでの電車内は

絵に描いたような満員電車でした。

都心に近付けば近付くほど、電車内はぎゅうぎゅう詰めです。

降車駅に着いてもドア付近にいなければ、人を掻き分けて出ないといけませんでした。

ドアまでなかなか辿り着かず、下手したら電車から降りられずにドアが閉まりそうになったこともあります。

満員電車の中でも立ったまま、器用にスマホを見たり読書をしている人もいましたが、私はそんな余裕すらありませんでした。

コロナ拡大~緊急事態宣言中の通勤電車

コロナの感染者が急増し出してからは、テレワークや時差出勤を取り入れる会社が増えました。

それに伴い、電車の利用者は徐々に減り、緊急事態宣言後は今までの満員電車が嘘のようになりました。

都心に入っても、座席は埋まっているものの立っている人はまばらになりました。

体感的にはbeforeコロナの時代と比べて乗車率が50~60%くらいになったんじゃないかと思います。

週末に限れば大阪の主要都市・梅田の人出が86.9%減少したというデータもあります。

afterコロナの通勤電車

2020年5月14日に39県で緊急事態宣言が解除されました。

5月21日には私の住む関西圏では大阪、京都、兵庫も解除されました。

緊急事態宣言が解除されたからといって、元通り満員電車に戻ったかというとそうではありません。

緊急事態宣言の時よりは増えていますが、それでもコロナ以前の70%くらいの乗車率です。

といっても、まだ緊急事態宣言が解除されて間もないので、徐々に乗車人数も回復すると思います。

では、近い将来、また元通り満員電車になるかというと私はそうはならないと思います。

なぜなら、経営者の立場としてはテレワークの方を推進した方が人件費・経費を削減できるからです。

afterコロナの会社経営

コロナがきっかけで、経営者としてはテレワーク導入の良い実験なったと思います。

経営者
テレワークでも売上落ちないし、会社回せるんじゃね?

と気づいた経営者も多いはずです。

テレワークで無駄な人件費、経費を削減

経営者としては売上を落とさずに従業員がテレワークを続けることができれば、大きな経費削減ができます。

出勤日を減らせば、定期券を購入する必要がなく、通勤した日数分の交通費だけ払えばいいし、コロナが広まってからは、会議はZOOM等を利用したリモート会議が当たり前になりました。

私が勤める会社は全国に支店があり、1~2ヶ月に1回営業会議といって営業員全員が本社に集まる会議があります。

それがZOOM会議になっただけで、大幅な経費削減になりました。

正直、1日会議をするために全国各地から新幹線で本社に呼ぶのはお金と時間の無駄です。

社員の給料は下げなくても、移動にかかるお金を節約するだけで、会社としては大きな経費削減になります。

私が勤めている会社以外でも、テレワークやリモート会議を経験したことで、今まで無駄な経費を使っていたと気づいた経営者が多いはずです。

経営者
コロナとか関係なく、これからもテレワークやリモート会議続けようぜ!

って会社が増えてくると思われます。

テレワークが当たり前になれば広いオフィスもいらない

100%テレワークは無理にしても、出勤日が週に2~3日で済めば社員全員が座れるスペースも必要ありません。

私が勤める会社の場合、社内の三密を避けるため、緊急事態宣言中は通勤がシフト制になっていました。

そうなると半分近い席は一日中空席のままです。

スペースの無駄ですね。

毎日全員出社というスタイルをやめれば、オフィスの広さは半分あれば十分です。

オフィスを小さくできれば、家賃も抑えられます。

経営者の立場からすれば、もはやテレワークを推進しない理由がないですよね。

毎日通勤しなくていいなら、駅近じゃなくてもいい

会社に毎日出社する必要がなくなれば、駅近に住む必要もないですよね。

既にコロナが流行し始めた時点で、都心から田舎へ移住を決意した人も少なくありません。

今後もコロナに限らず、新型ウイスルが発生する可能性も十分考えられます。

これからは、三密になるような都心部に住みたい。勤めたいという人は、減少すると思います。

コロナの時みたいに緊急事態宣言が発令されて「STAY HOME週間」が実施されたら、駅近物件は、むしろ価値が下がると思います。

駅近は基本、利便性が良いということで郊外よりも地価が高いです。

そのため、駅近物件の方が土地が狭い傾向にあります。

私も駅近のマンションに住んでいますが、家族3人で65平米の3LDKと決して広くはないです。

マンションだと庭もないので、「STAY HOME週間」が実施されたら、マジでやることないです。

一方、私が住んでいる地域の場合、駅遠物件なら今住んでいるマンションと同じ価格で庭付きの2階建て一軒家が買えます。

庭があれば外出できなくても家でBBQとかできるし最高じゃないですか!?

同じ価格で部屋数も増やせて、一室あたりの坪数も広くできます。

今までは駅近物件、駅近マンションは資産価値が下がりにくいと言われ続けていました。

しかし、10年後には、駅近に住むメリットが減り、資産価値も下がっていくというのが私の意見です。

テレワーク、リモート会議が当たり前の時代になれば、駅から多少離れていても、広い部屋に住みたい!という人が増えてくると考えています。

そんな時代になれば、駅近の価値は下がり、郊外の価値が上昇します。


自動運転の実用化が駅近離れを加速させる!?

駅近に住むメリットは大きく分けると3つあります。

  1. 電車通勤に便利(会社員が住みやすい)
  2. 車がなくても生活できる(高齢者が住みやすい)
  3. 徒歩圏内に商業施設がある(生活がしやすい)

サラリーマンにも、体力が衰えた高齢者・車を手放した高齢者にも人気!

ということで、駅近に家を買えば、資産価値が落ちにくいというのが今までの常識でした。

しかし、10年後には車の自動運転の普及され、今までの常識が大きく変わろうとしています。

10年後の2030年には完全自動運転の時代が到来?

運転自動化レベルは6段階に分かれています。

運転自動化6つのレベル
  • レベル0:ドライバーがすべてを操作。
  • レベル1:運転支援
    →システムがハンドル操作。加減速のどちらかをサポート。
  • レベル2:部分自動運転
    →システムがハンドル操作。加減速の両方をサポート。
  • レベル3:条件付自動運転
    →特定の場所でシステムがすべてを操作。緊急時はドライバーが操作。
  • レベル4:高度自動運転
    →特定の場所でシステムがすべてを操作。
  • レベル5:完全自動運転
    →場所の限定なくシステムがすべてを操作。

レベル0は自動運転機能は全くないので、一般的な乗用車を指します。

レベル1~2は自動運転ではなく「運転支援」のレベルです。

加減速のサポート機能はあるものの、常にドライバーが運転をしなければいけません。

レベル3になって初めて「自動運転」が謳えます。

2020年5月現在、日本の公道で走行が認められているのはレベル3までです。

運転自動化レベル3になると、高速道路等、特定の条件下でのみ運転が完全に自動化可能になります。

自動運転中、ドライバーは手放し運転も可能です。

ただし、緊急時にはアラームが鳴り、ただちに運転できる状態にしておかなければいけません。

2020年の時点で、ここまで自動運転の技術は成長しています。

自動運転の完成形はレベル5です。

レベル5になると、システムがすべてを操作します。

運転手がいらないので、将来は無人の車が走っているという今なら怪奇現象みたいな光景が当たり前になるかもしれません。

日本政府は2025年までにレベル5の実用化を目指すとしています。

仮に2025年までに間に合わなかったとしても、更に5年後の2030年までには実用化されて、都心部を中心に無人の車が走り回っているという未来が待っている可能性があります。

自動運転がレベル5に達すると何が起きるかというと

  1. ドライバーが不要になる。(免許が要らなくなる)
  2. 自宅に駐車場がなくても車が家の前まで迎えに来てくれる。
  3. 無人の車が会社や駅までの送迎をしてくれる。

こんな未来が待っています。

  • 運転できないから利便性の高い駅近に住もう。
  • アクセスに便利な駅近に住もう。

自動運転が実用化されれば、このような発想は無くなっていくことが予想できます。

テレワークが普及しなかったとしても、自動運転の実用化が現実化されれば、駅近物件の価値は下がります。

まとめ

①働き方の変化、②自動運転の進化

以上、2つの理由により、10年後には駅近物件の価値が全国的に下がるのではないかと予測しています。

コロナウイルスがきっかけで、サラリーマンの働き方が大きく変わり、在宅勤務をする会社員が増える時代が訪れようとしています。

家で過ごす時間に価値を見出す人が増えれば、駅近の狭い物件、狭いマンションよりも、駅遠でも広めの部屋、庭付き一軒家を買う人が増えると思われます。

また、自動運転技術の向上により、

運転しなくてもシステムが自動で目的地まで移動してくれる。

無人の車が送迎してくれる。

10年後にはそんな時代になっている可能性が高いです。

そうなると、駅近の需要は減ります。

不動産の価値という視点で見ると、これからは駅近物件なら間違いないという考えは改めた方が良さそうですね。