空気清浄機と加湿器の違いは?別々に使うべきか一体型でもいいかを解説

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空気清浄機と加湿器って、結局なにが違うんでしょうか。

どちらも「部屋の空気をよくする家電」の棚に並んでいて、値段も似たようなもの。両方買うべきなのか、1台にまとめられるのか、店頭で固まってしまいますよね。

この記事では、2つの機械の仕組みの違いから、両方いる家といらない家の分かれ目、そして1台二役の一体型加湿空気清浄機を選ぶときの注意点までを順番にまとめます。

自分の家に必要なのはどちらなのか、あるいは両方なのかを、迷わず決められるようになるので、ぜひ参考にしてください。

目次

空気清浄機と加湿器の違いは「取るか、足すか」

空気清浄機と加湿器の役割の違いを説明する様子

空気清浄機は空気から不純物を取り除く機械で、加湿器は空気に水分を足す機械です。

取る対象は花粉やホコリ、足すものは水分。役割が正反対なので、片方があればもう片方はいらない関係にはなりません。

まずはそれぞれが何をしているのかを、もう少しだけ具体的に見ていきましょう。

空気清浄機は粒子を取り除く機械

空気清浄機の仕事は、部屋の空気を吸い込んでフィルターに通し、きれいにした空気を吐き出すことです。

シャープによると、静電HEPAフィルターは0.3μm以上の微粒子を99.97%除去する性能を持ち、花粉・PM2.5・ダニのふんや死がい・カビ菌・ホコリを捕らえます。

目に見えないサイズの粒子まで網に引っかける仕組みなので、掃除機や換気とは守備範囲が違うわけですね。

ただし、ここで扱っているのはあくまで空気中に浮かんでいる粒子です。空気そのものの乾き具合には手を出していません。

加湿器は空気に水分を足す機械

一方の加湿器は、タンクの水を空気中に送り出して、部屋の湿度を上げる機械です。

冬に窓を閉め切って暖房をつけると、部屋の空気はどんどん乾きます。のどがイガイガする、朝起きると口の中がカラカラ、といった不調はここから来ていることが多いもの。

加湿器はその乾いた空気に水分を戻して、体感を整えてくれます。

反対に、花粉やホコリを取り除く力はありません。

加湿によって舞い上がりにくくなる効果を期待する声はありますが、フィルターで捕まえているわけではないので、掃除の代わりにはならないと考えておきましょう。

片方でもう片方の代わりにはならない

ここまで整理すると、2つの機械は目的そのものが違うとわかります。

空気清浄機を強運転にしても部屋は潤いませんし、加湿器をフル稼働させても花粉は減りません。

「どっちか1台でいいなら安いほう」で選んでしまうと、狙った悩みが解決しないまま終わってしまいます。

選ぶときの出発点は、値段でも機能の数でもなく、いま困っているのが「汚れ」なのか「乾燥」なのかです。

違いの早見表

ここまでの内容を一覧にしておきます。

項目空気清浄機加湿器
やること空気中の粒子を取り除く空気に水分を足す
主なターゲット花粉・PM2.5・ハウスダスト・ニオイ乾燥・のどの不調・肌のカサつき
活躍する季節通年(春の花粉期がピーク)秋〜冬
中心となる部品集じん・脱臭フィルター水タンクと加湿方式ごとの機構
主な手入れフィルターのホコリ取りタンク・トレイの水洗い
切らすと困るもの交換用フィルター毎日の給水

加湿器の4方式と、空気清浄機のフィルター

加湿器は「どうやって水分を送り出すか」で4つの方式に分かれます。

電気代・手入れのラクさ・安全性がここで大きく変わるので、加湿器選びは方式選びとほぼ同じ意味だと思ってください。

気化式

気化式は、水を含ませたフィルターに風を当てて、自然に蒸発させる方式です。

ダイニチ工業によると、気化式は消費電力が少ないのが特徴。ヒーターで沸かさないぶん、電気代を抑えやすい方式ですね。

吹き出す空気が熱くならないため、小さい子がいる家庭でも置きやすいでしょう。

その代わり、フィルターが湿ったままになるので、こまめな洗浄をさぼるとニオイの原因になりやすい点には注意が必要です。

スチーム式

スチーム式は、水を沸かして蒸気として送り出す方式です。

煮沸してから出すため衛生面で安心しやすく、フィルターを持たない機種も多くて手入れがシンプル。象印のEE-DF50もこのタイプで、フィルター不要の構造になっています。

弱点は電力で、ダイニチ工業は常時ヒーターが稼働するスチーム式について、かなりの電力を消費すると説明しています。

加えて、吹き出し口から出るのは熱い蒸気。小さい子が触れないよう、置き場所は慎重に決めましょう。

超音波式

超音波式は、超音波の振動で水を細かい霧にして飛ばす方式です。

本体が小さく、価格も手ごろな製品が多いので、卓上用として見かけることが増えました。

ヒーターを使わないので消費電力は控えめ。ただし水を加熱せずにそのまま霧にするため、タンクの中で菌が増えるとそのまま空気中に出てしまう点がいちばんの弱点になります。

選ぶなら、毎日水を替えてタンクを洗える人向けだと考えてください。

ハイブリッド式

ハイブリッド式は、気化式にヒーターを組み合わせた方式です。

ダイニチ工業は、この方式の消費電力をスチーム式の3分の1程度と説明しています。しかも吹出口が熱くならないので、やけどの心配も小さくなります。

立ち上がりは温風の力で速く、加湿が安定したら送風に切り替えて電気を節約する、といった動きをする機種が主流。

電気代と安全性のバランスを取りたいなら、有力な候補になるでしょう。

方式別の比較表

4方式の違いをまとめます。

方式電気代の傾向吹出口の熱さ手入れの負担向いている人
気化式安い熱くならないフィルター洗浄が必要電気代を抑えたい人
スチーム式高い熱い蒸気が出るフィルター不要の機種が多い手入れをラクにしたい人
超音波式安い熱くならない毎日の水替えが必須卓上で小さく使いたい人
ハイブリッド式中くらい(スチーム式の約3分の1)熱くならないフィルター洗浄が必要電気代と安全性を両立したい人

空気清浄機のフィルターは集じんと脱臭の2枚

空気清浄機のほうは、方式ではなくフィルター構成で見ます。

基本になるのは、粒子を捕まえる集じんフィルターと、ニオイを吸着する脱臭フィルターの2枚。シャープの場合、集じん・脱臭フィルターの交換目安は約10年と案内されています。

ここで押さえておきたいのが、集じんフィルターは水洗いできないこと。掃除機でホコリを吸い取るのが正しい手入れの方法です。

加湿器のタンクは毎日洗うのに、空気清浄機のフィルターは洗ってはいけない。同じ「空気の家電」でも、扱い方はまったく別物なんですよね。

両方いる家といらない家の分かれ目

花粉と乾燥のどちらに困っているかを考える様子

ここからは、自分の家に必要なのはどちらなのかを切り分けていきます。

判断の材料は、家族が実際に困っている症状と、部屋の使い方の2つ。値段から入らないほうが、結果的に失敗しません。

花粉・ハウスダストが気になるなら空気清浄機

春先にくしゃみが止まらない、洗濯物を部屋干しにするとホコリっぽい。こうした悩みが中心なら、必要なのは空気清浄機です。

花粉・PM2.5・ダニのふんや死がいは、フィルターで捕らえるしか減らしようがありません。

加湿しても、掃除機をかけても、空気中に浮いている粒子はゼロにならないもの。

家族に花粉症の人がいるなら、季節を問わず動かせる空気清浄機のほうが投資の効きは大きいでしょう。

冬の乾燥やのどの不調が気になるなら加湿器

反対に、悩みが冬に集中しているなら加湿器の出番です。

朝起きたときにのどが痛い、唇が切れる、静電気がひどい。どれも湿度が下がったときに出やすい症状ですね。

厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、相対湿度を40%以上70%以下に保つことが定められています。オフィスビルなどが守る基準ですが、家庭でも目安として使える数字です。

まずは湿度計を置いて、自分の家が今どのあたりにいるのかを見てから決めても遅くありません。

適正湿度は何%が目安か

湿度の目標は、目的によって少しずれます。

基準として広く使われるのが先ほどの40〜70%。もう少し踏み込むと、厚生労働省は急性呼吸器感染症に関するQ&Aで、加湿器などで適切な湿度(50〜60%)を保つことも効果的と案内しています。

空気が乾燥すると気道の粘膜の防御機能が落ち、インフルエンザにかかりやすくなるためです。

ただし上げすぎは逆効果。70%を超えるとカビやダニが増えやすい環境になるので、湿度は高ければ高いほどいいわけではないと覚えておいてください。

参考:厚生労働省「急性呼吸器感染症(ARI)に関するQ&A」

空気清浄機の性能表示は試験条件つき

期待値の話もしておきます。

空気清浄機のPM2.5対応という表示は、約8畳の密閉空間で0.1〜2.5μmの粒子を99%除去できることを基準にした試験結果です。

環境省が掲載している資料では、この数字は実際の生活空間そのままの結果ではないと明記されています。

人が出入りしてドアが開き、窓から新しい花粉が入ってくる部屋では、当然ながら試験室と同じようにはいきません。

買ってがっかりしないためにも、「置けば無菌室になる」わけではないことは先に知っておきたいところです。

参考:環境省掲載資料(PDF)

併用と使い分けの考え方

では両方そろえるべきなのか。ここは家庭によって答えが変わります。

花粉症の家族がいて、冬の乾燥もつらい。この2つが重なるなら、両方必要という結論になりやすいでしょう。

一方、悩みが冬の乾燥だけなら加湿器1台で足りますし、通年のホコリ対策だけなら空気清浄機1台で構いません。

そして両方いる場合は、次の分かれ道が待っています。1台にまとめるか、2台に分けるか。ここが本題です。

1台二役の加湿空気清浄機は「買い」か

加湿空気清浄機を前に迷う様子

両方の機能を1台に詰め込んだのが、加湿空気清浄機です。

一台二役なら置き場所も電源も1つで済むので、部屋がすっきりするのは間違いありません。ただ、まとめたことで発生する代償もあります。

兼用機のいいところ

いちばんの魅力は、場所とコンセントの節約です。

リビングに2台の家電を並べると、それだけで生活動線が窮屈になります。子どもが走り回る家なら、コードが1本減る意味も小さくありません。

操作もひとつにまとまるので、電源の入れ忘れや消し忘れが起きにくいのも助かる点。

加湿と空気清浄をいつも同時に使いたい家庭にとっては、素直に便利な選択です。

加湿運転にすると適用畳数が落ちる

ここからが代償の話です。

シャープのKI-RX75を例にすると、適用床面積は空気清浄のみで〜34畳、加湿空気清浄では〜27畳と公表されています。

同じ本体でも、加湿しながら運転すると、カバーできる広さが小さくなるわけですね。

部屋の広さで機種を選ぶときに空気清浄だけの畳数を見てしまうと、実際の使い方では能力が足りない状態になりかねません。カタログを見るときは加湿空気清浄側の数字で選んでください。

加湿フィルターの手入れが月1回増える

もうひとつが手入れの負担です。

シャープのお手入れ案内では、集じん・脱臭フィルターは月1回の掃除機がけで、交換目安は約10年。ここまでは空気清浄機だけの話です。

加湿機能を使うと、これに加湿フィルターとトレーの月1回の水洗いが加わります。ミネラル汚れが固まってきたら、重曹やクエン酸での浸け置きが必要。

さらにタンクは給水のたびに振り洗い、Ag+イオンカートリッジは約1年で交換と、やることが積み上がっていきます。

この手間を続けられるかどうかが、兼用機と付き合えるかの分かれ目になります。

選び方は部屋の広さと手入れの続けやすさ

兼用機を選ぶときの基準を整理しておきましょう。

1つめは、加湿空気清浄の畳数が部屋の広さを上回っていること。2つめは、加湿フィルターの手入れを月1回続けられる自信があること。

この2つがそろうなら、1台にまとめる価値は十分あります。

逆に、どちらかが怪しいなら、無理にまとめないほうが幸せかもしれません。次の章は、実際にそう判断した話です。

加湿空気清浄機を買ったのに、あとから加湿器も買い足した理由

我が家のシャープの加湿空気清浄機

我が家で使っているのは、シャープの加湿空気清浄機のシリーズです。

買ったときは加湿機能付きの1台にまとめたつもりでした。それが今では、空気清浄機と加湿器の2台体制になっています。

最初は加湿空気清浄機1台だけだった

もともと使っているのはシャープのKI-PX75-Wで、加湿機能が付いた一体型モデルです(現在は生産が終了しています)。

選んだ理由は単純で、花粉対策と乾燥対策が1台で済むならそのほうがいいと考えたから。

買った当初は説明書どおりにタンクへ給水して、加湿運転も普通に使っていました。

1台で完結する暮らしは、たしかに快適だったんです。

使わなくなったきっかけは加湿タンクの手入れ

変わったきっかけは、タンクの手入れでした。

使い続けているうちに赤カビが出るようになり、その掃除が負担になってきたんですね。

加湿を使う限り、タンクもトレーも湿ったまま。放っておけば汚れは戻ってきます。

それに加えて、空気清浄機の本体を長く使いたい気持ちもありました。水まわりの部品を酷使し続けるより、加湿運転を控えたほうが本体にやさしいだろう、と考えたわけです。

結果として、加湿機能はほとんど使わなくなりました。

乾燥対策として加湿器を別に買い足した

我が家の象印のスチーム式加湿器

とはいえ、冬の乾燥は待ってくれません。

そこで後から買い足したのが、象印のスチーム式加湿器 EE-DF50です。

スチーム式を選んだのは、フィルターがないぶん手入れの手順が少ないから。加湿タンクの掃除で苦労した経験が、そのまま次の選択に効きました。

容量は4.0Lで、適用畳数は木造和室〜8畳・プレハブ洋室〜13畳。定格加湿能力は480mL/hです。

結局、我が家は「1台にまとめる」から「役割ごとに分ける」へ方針を変えたことになります。

今は花粉と乾燥で役割を分けている

現在の使い分けはシンプルです。

花粉やホコリの対策は空気清浄機、冬の乾燥対策は加湿器。機能で割り切って、それぞれを本来の仕事だけに使っています。

置き場所は2台ぶん必要になりましたが、手入れの負担が分散したぶん、どちらも続けられるようになりました。

1台二役に戻したいとは、今のところ思っていません。

同じ考え方が向く人・向かない人

この分け方が全員に当てはまるとは思いません。

向いているのは、加湿器を使う季節が冬に限られる家庭や、手入れの手間をできるだけ小さくしたい家庭。加湿器はオフシーズンにしまえるので、1年の半分は空気清浄機だけで暮らせます。

逆に向かないのは、置き場所に余裕がない家庭や、通年で加湿と空気清浄を同時に使いたい家庭でしょう。

そういう場合は、加湿フィルターの手入れを前提に兼用機を選ぶほうが暮らしに合います。

【ランキング】空気清浄機のおすすめ5選

ここからは、楽天市場で買える空気清浄機を選びました。

基準は加湿機能の有無・適用畳数・本体の大きさの3点。加湿を別の機械に任せるのか、1台にまとめるのかで選ぶ商品が変わるので、両方のタイプを並べています。

価格は執筆時点(2026年8月)のものなので、最新の情報はリンク先でご確認ください。

順位商品名加湿機能タイプ価格
1位シャープ KI-SX75-Wあり加湿空気清浄機(空清34畳/加湿25畳)51,800円
2位シャープ KC-T50-Wあり加湿空気清浄機(空清23畳/加湿14畳)21,600円
3位Levoit 空気清浄機(21畳・33畳対応)なし据え置き型18,800円
4位Levoit Core300なしコンパクト型(20畳対応)12,980円
5位KLOUDIC 小型空気清浄機なし卓上・小型7,980円

1位 シャープ KI-SX75-W

シャープ KI-SX75-W 加湿空気清浄機

1位に置いたのは、我が家のKI-PX75-Wの流れをくむシャープ KI-SX75-Wです。

空気清浄で34畳、加湿空気清浄で25畳までをカバーする上位モデル。リビングに1台置いて家全体の中心にするなら、この規模が扱いやすいでしょう。

加湿機能を使うかどうかは後から決められるので、まず空気清浄機として買い、加湿は必要になったら足すという考え方もできます。

ただし加湿を使うなら、加湿フィルターとトレーの月1回の水洗いが付いてくることをお忘れなく。

2位 シャープ KC-T50-W

シャープ KC-T50-W 加湿空気清浄機

予算を抑えて1台二役をねらうなら、シャープ KC-T50-Wが現実的な選択になります。

空気清浄が23畳、加湿が14畳まで。8〜12畳の寝室や子ども部屋なら、加湿運転をしながらでも余裕があります。

プラズマクラスター7000を搭載していて、花粉運転モードも備えたモデルですね。

兼用機を試してみたいけれど上位機は高い。そんな場合の入り口として向いています。

3位 Levoit 空気清浄機(21畳・33畳対応)

Levoit 空気清浄機 21畳/33畳

加湿は別の機械に任せる、と決めているならLevoitの据え置き型が候補に入ります。

HEPAフィルターと高効率活性炭フィルターの組み合わせで、花粉やペットのニオイに向けた設計。

水を使わない機械なので、タンクの手入れがゼロで済むのが大きな違いです。

我が家のように役割を分ける方針なら、こうした加湿なしのモデルのほうが管理はラクになります。

4位 Levoit Core300

Levoit Core300 コンパクト空気清浄機

寝室や書斎など、ひと部屋だけをねらうならLevoit Core300のサイズ感がちょうどいいところ。

20畳対応をうたいながら本体はコンパクトで、置き場所の自由度が高い1台です。

フィルターは2年交換不要とされていて、ランニングコストの見通しも立てやすいでしょう。

リビングの大型機とは別に、子ども部屋にもう1台、といった使い方にも向きます。

5位 KLOUDIC 小型空気清浄機

KLOUDIC 小型空気清浄機

とりあえず試してみたい段階ならKLOUDICの小型モデルが入り口になります。

卓上に置けるサイズで、花粉・黄砂・ハウスダストに向けたフィルターを備えたタイプ。

広いリビング全体をまかなう性能ではないので、使う場所を絞って選ぶのが前提になります。

デスクまわりや寝室の枕元など、自分がいる場所の空気を集中的に扱いたいときに。

加湿器を使うなら知っておきたい手入れと安全

加湿器の給水タンクを洗う様子

加湿器は、水を扱う家電です。

ここを軽く見ると、健康を守るために買ったはずの機械が、逆に体調を崩す原因になりかねません。手入れと安全の話をまとめておきます。

加湿器肺炎とレジオネラ

加湿器のリスクとして知られているのが、加湿器肺炎です。

ダイニチ工業の解説によると、タンク内で繁殖したカビや菌(レジオネラ属菌など)を含んだ水が霧になって放出され、それを吸い込むことで発症します。

とくに免疫力の低い新生児や高齢者は発症しやすいとされていて、赤ちゃんのいる部屋で使うなら手入れは必須条件です。

「加湿すれば健康にいい」の前提には、タンクが清潔であることが隠れているわけですね。

毎日・週1・月1でやること

手入れの頻度を整理しておきます。

頻度やること
毎日タンクの水を入れ替え、タンクを振り洗いする
週1回本体と吹出グリルを掃除する
2週に1回トレイと気化フィルターを洗う
月1回クエン酸や重曹で浸け置きする

加湿空気清浄機を使う場合も考え方は同じで、シャープは加湿フィルターとトレーの月1回の水洗い、タンクは給水のたびの振り洗いを案内しています。

数字で並べると多く見えますが、毎日やるのはタンクの水替えだけ。ここさえ習慣にできれば、残りは月に数回の作業です。

水道水を使う理由

加湿器に入れる水は、水道水が正解です。

ミネラルウォーターや浄水器の水は、雑菌の繁殖を抑える残留塩素が抜けているため、タンクの中で菌が増えやすくなります。

体にいい水を入れたほうが加湿もきれいになる気がしますが、加湿器に関しては逆なんですよね。

説明書に水道水を使うよう書かれているのは、この塩素を当てにしているからです。

子どもがいる家の事故に注意

安全面の話も外せません。

NITE(製品評価技術基盤機構)は、加湿器・空気清浄機・除湿器の事故について、平成20〜24年度の5年間で184件が報告され、うち死亡1件・重傷5件・軽傷22件だったと公表しています。

内容としては、電源コードの不適切な扱いによる火災や、乳幼児が蒸気に触れてのやけどが挙げられています。

製品安全情報マガジンでは、本体を丸洗いして電源基板が浸水し焼損した事例、電源プラグの栓刃が折れてスパークした事例も紹介されました。

スチーム式を子どものいる部屋で使うなら、蒸気口に手が届かない場所に置くのが最低条件。本体の水洗いも、説明書で許可された部分だけにとどめてください。

参考:NITE「加湿器、空気清浄機、除湿機の事故に注意」

【ランキング】加湿器のおすすめ5選

続いて、加湿器のほうを方式のバランスを取って選びました。

基準は方式・タンク容量・手入れのしやすさの3点です。手入れを最優先するならスチーム式、電気代を優先するなら気化式かハイブリッド式、と読み替えてください。

価格は執筆時点(2026年8月)のものです。

順位商品名方式タンク容量価格
1位象印 EE-DF50-WAスチーム式4.0L25,979円
2位象印 EE-DF35-HAスチーム式3.0L21,998円
3位SwitchBot 気化式加湿器気化式4.5L19,800円
4位気化式加湿器 4L(18畳対応)気化式4.0L10,979円
5位ハイブリッド式加湿器 5Lハイブリッド式5.0L7,980円

1位 象印 EE-DF50-WA

象印 EE-DF50-WA スチーム式加湿器

1位は、我が家でも使っている象印 EE-DF50-WAです。

容量4.0Lで、適用畳数は木造和室〜8畳・プレハブ洋室〜13畳。連続加湿は強で8時間、中で16時間、弱なら32時間もちます。

推している理由は性能よりフィルター不要の構造にあり、洗うのは広口のタンクだけ。加湿器の手入れで挫折した経験があるなら、この一点が効きます。

消費電力は湯沸かし時985W・加湿時410Wと大きめなので、電気代を最優先する人には向きません。蒸気口が熱くなる点も、置き場所を決めるときに忘れずに。

2位 象印 EE-DF35-HA

象印 EE-DF35-HA スチーム式加湿器

同じシリーズで容量を落としたのが象印 EE-DF35-HAです。

タンクは3.0Lで、本体もひとまわり小さくなります。寝室や子ども部屋など、部屋を絞って使うならこちらで十分でしょう。

フィルター不要・広口容器の扱いやすさは上位機と同じ。

まずは加湿器を1台試してみたい人の入り口にも向いています。

3位 SwitchBot 気化式加湿器

SwitchBot 気化式加湿器

電気代を抑えたいなら、SwitchBotの気化式加湿器が候補です。

4.5Lの大容量で最大21畳に対応し、連続運転は最大22.5時間。ヒーターで沸かさないぶん、消費電力は控えめに収まります。

アプリやスマートスピーカーから操作できるので、帰宅前に動かしておく使い方もできますね。

その代わり、気化フィルターの洗浄は定期的に必要。手入れの手間と電気代を天秤にかける形になります。

4位 気化式加湿器 4L(18畳対応)

気化式加湿器 4L 18畳対応

気化式をもっと手ごろに買いたいなら4Lの気化式加湿器が選択肢に入ります。

最大18畳対応で上部給水に対応しているため、タンクを外さずに水を足せるのが日々の使い勝手を左右するポイント。

自動湿度調整とタイマーも付いていて、つけっぱなしの心配が減ります。

価格を抑えつつ気化式のよさを取りたい人に向く1台です。

5位 ハイブリッド式加湿器 5L

ハイブリッド式加湿器 5L

電気代と立ち上がりの速さを両立させたいなら、ハイブリッド式の5Lモデルを。

17時間の連続運転に対応し、ヒーターオフモードに切り替えれば消費電力をさらに落とせます。

吹出口が熱くならない方式なので、子どもやペットがいる部屋でも置き場所の自由度が高いのが助かるところ。

スチーム式の熱さが不安で、でも気化式だけでは加湿が物足りない。そんなときの中間解になります。

空気清浄機と加湿器のよくある質問

最後に、選ぶ前によく出てくる疑問をまとめておきます。

同じ部屋で一緒に使ってもいい?

問題ありません。役割が違う機械なので、同時に動かしても打ち消し合うことはないです。

ただし置き方には少しコツがあります。加湿器の蒸気を空気清浄機が至近距離で吸い込むと、湿度センサーが正しく働かない場合があるためです。

2台は離して置くのが基本と考えてください。

加湿空気清浄機を使っている場合は、メーカーが設計した配置になっているので気にしなくて大丈夫です。

加湿器の代わりに濡れタオルでもいい?

短時間・狭い範囲であれば、濡れタオルや洗濯物の部屋干しでも湿度は上がります。

ただ、水分量をコントロールできないのが弱点。上げたい湿度に届かないこともあれば、部屋の隅だけ湿りすぎることもあります。

湿度計を見ながら40〜70%の範囲に収めたいなら、機械に任せたほうが確実でしょう。

あくまでその場しのぎの手段と位置づけておくのが安全です。

電気代はどちらが高い?

機種によりますが、傾向としては加湿器のほうが方式による差が大きく出ます。

ダイニチ工業の説明では、気化式は消費電力が少なく、スチーム式は常時ヒーターが稼働するためかなりの電力を使い、ハイブリッド式はスチーム式の3分の1程度。

実際の数字で見ると、象印EE-DF50は湯沸かし時985W・加湿時410Wです。

金額は契約している電力単価と使用時間で変わるので、方式ごとの消費電力(W)を比べるのがいちばん確実な見方になります。

空気清浄機だけで花粉症は治る?

治療のための機械ではないので、症状がなくなると期待するのは違います。

先ほど触れたとおり、PM2.5対応の表示も約8畳の密閉空間での試験結果であり、実際の生活空間そのままの数字ではありません。

玄関で花粉を払う、洗濯物を部屋干しにする、こまめに掃除する。こうした対策と組み合わせて、室内に持ち込む量を減らすほうが体感は変わります。

空気清浄機は、その総合戦のうちの1つを担当する道具だと考えてください。

冬の寒さ対策も一緒に考えたい

乾燥と寒さは同じ季節にやってきます。

加湿器で湿度を整えつつ、寝るときの暖房をどうするかも悩みどころですよね。

湯たんぽを検討しているなら、事故のデータと選び方をまとめた記事も参考にしてみてください。

湯たんぽの充電式は危険?爆発・低温やけどの事故とPSEマークの見分け方

まとめ

空気清浄機と加湿器の違いは、「取るか、足すか」に尽きます。

空気清浄機は花粉やPM2.5などの粒子をフィルターで取り除く機械で、加湿器は乾いた空気に水分を足す機械。目的が正反対なので、片方がもう片方の代わりを務めることはできません。

両方いるかどうかは、家族が困っている症状で決まります。花粉やハウスダストなら空気清浄機、冬の乾燥やのどの不調なら加湿器。両方に当てはまるなら、2台に分けるか、1台二役の加湿空気清浄機にまとめるかの判断になります。

兼用機を選ぶなら、加湿空気清浄時の適用畳数で部屋の広さを見ることと、加湿フィルターの月1回の手入れを続けられるかを先に確かめてください。

我が家は加湿タンクの手入れが負担になり、加湿機能付きを買ったあとで加湿器を別に買い足しました。遠回りに見えて、手入れが分散したぶん今のほうが続いています。

どちらを買うにしても、決め手になるのは値段ではなく、家の悩みと手入れの続けやすさです。この冬の準備の参考になればうれしいです。