「お金って何なんだろう?」小栗旬のCMから見る現金主義のリスク

このCMを見て現金は安心だと思いますか?

俳優の小栗旬さんが演じる三井住友カードのCMをご覧になったことはありますか?
このCMでは「お金って何なんだろう」をテーマに小栗旬さんと松尾諭さんがやり取りをしています。
まだ、ご覧になったことがない方もいらっしゃると思うので、まずは動画を見て頂きたいと思います。

このCMを見て何を感じましたか?

動画を見られない方のために、2人の会話を文字におこしてみますね。

小栗旬「お金持ってる?」

松尾諭「持ってるけど?」

小栗旬「一枚いいかな?」

松尾諭が財布から取り出したお金を小栗旬が奪う

小栗旬「これは、君のお金だよね?」

松尾諭「当たり前だろ」

小栗旬「証拠は?」

松尾諭「証拠?」

小栗旬「証明できる?これ間違いなく自分のお金ですって。」

松尾諭「証明って、さっきまで僕の財布に入ってたじゃない!」

小栗旬「でも今持っているのは僕だし、君の名前も書いていない。」

「現金は安心だって皆言うよね。現金は確実だって。」

「でもむしろ、とても不確実なものに僕たちは囚われているのかも。」

「お金って何なんだろう。」

この小栗旬が演じる役についてネット上の評判を見ていると、否定的な意見が多くみられます。

・ウザい

・嫌い

・意味不明

と言った意見が多いです。

私の感想はというと、非常によくできた考えさせられるCMだなと感じました。
私は現金を持ち歩くのが不安です。
過去に2回財布を落としたことがあります。

財布を初めて落としたとき
財布を初めて落とした時は飲み会帰りの夜中だったので、翌朝交番に行きました。
警察の方に調べて頂いたところ・・・無事に財布は見つかりました。
この時は財布の中身の現金もカードもすべて入っていました。(元々少額しか残っていませんでしたが)
親切な方に拾っていただき、助かりました。

財布を2回目落としたとき
休日の午前中、近所に買い物へ出かけた時に落としました。
財布をジーンズの後ろのポケットに入れていたことが原因です。
普段は、財布を後ろポケットに入れて出歩くことはないのですが、近所の買い物ということで油断していました。
自転車をこいでいたので、こぎながら落としたのです。
家に帰って財布を落としたことに気付き、急いで引き返しましたが財布は見つかりませんでした。
すぐに交番に向かい遺失届出書を提出しました。

数週間経っても財布は見つかりませんでした。

諦めかけた約1ヶ月後、財布が見つかりました。
なぜこのタイミングで届けられたのか謎ですが、取りに行くと・・・

 

現金はすべてなくなっていました。

 

普段私はあまり大金を持ち歩かないようにしていますが、この時は不運にも5万円以上の現金を財布に入れていました。
私の勤める会社は、定期代を現金で支給されるのですが、その現金を入れたままだったのです。
お札だけでなく、小銭まで綺麗さっぱりなくなっていました。
財布の中身は0円です。幸いカード類は入っていましたが。

私の財布に入っていた現金は誰のもの?

悔しいですが、私の財布に入っていた現金を取り戻すことはできません。
警察に被害届を出しても無駄です。(もちろん、出してませんが)
なぜなら、財布の中にいくら入っていたかという証明ができないからです。
犯人を見つけることも難しいです。
財布を届けてくれた人=犯人とは限りません。

落とし物でよくある話ですが、悪い人は財布を見つけたら現金だけ抜き取って財布を捨てます。
それを拾った人が警察に届けるというパターンも考えられます。

私の財布は落としてから見つかるまで1ヶ月近くかかりました。
憶測でしかありませんが、複数の箇所を渡り歩いていたのかもしれません。

落とした現金は取り戻せなくてもカードの中身は取り戻せる

私は財布を落として、現金をすべて失うという経験をしました。

CMと同じことが言えます。

私の財布には確かに現金が入っていました。
しかし、それを証明することができません。
交番に行って「僕のお金がなくなった!」と声を荒げたところで現金は戻ってこないのです。

証明することができるお金は存在するのでしょうか?

私は、財布を落として現金を失いましたが、失わなかったお金もあります。

それは、カードです。

カードは盗まれていなかったから当たり前だろうと思われるかもしれませんが、それは違います。
財布には、クレジットカードキャッシュカードを入れていました。
これらのカードは財布を落としてすぐに、カード会社へ連絡し紛失届を出しました。

この時点で、カードを盗まれたところで何の心配も入りません。

カードを止めてしまえば、不正に利用されることはありません。
カードを止めた時点で、そのカードはお金として機能しなくなります。
仮に、クレジットカードを悪用されたとしても履歴が残ります。

お金をデータで管理することで、自分のお金であることが証明されます。

そのため、カードは落としても、盗まれても全く問題がありません。
紛失したカードは利用停止にして再発行すればよいのです。

私は、財布を落としてすぐにカードを止めて再発行しました。
そのため、現金がなくなる不安はあってもカードの中身がなくなる不安はありませんでした。

多額の現金を所有することはリスクが付きまとう

スリやひったくり、強盗等、お金目的の犯罪者が狙うものは何だと思いますか?

それは、現金です。クレジットカードやキャッシュカードではありません。

なぜ現金を狙うのか?

それは、捕まらない限り盗んだ瞬間から、犯人が自由にそのお金を使えてしまうからです。

2018年に、福岡で3.8億円の現金が盗まれるという事件がありましたが、狙われたのは、やはり現金でした。
3.8億円使用できるカードが盗まれたという話は聞いたことがありません。
カードを盗んだところで、暗証番号がわからなければ使えないからです。

最近はキャッシュレス決済の導入が急速に進んでいますが、キャッシュレスの機材が盗まれたという事件は聞いたことがありませんよね?

なぜなら、キャッシュレスの機材を盗んだところで、お金は引き出せないからです。

三井住友カードのCMが伝えたかったこと

私の推測ですが、現金を持つのはリスクが高いからカードを持ちましょう。ということだと思います。
第一に、このCMをしているのは「三井住友カード」です。
カード会社なので当然ですね。
CMの最後にはさりげなく「Have a good Cashless」のメッセージが添えられています。

このメッセージについては私も賛成です。
私も現金は日頃あまり持ち歩かないようにしています。
買い物は何でしているかというと、クレジットカードかQRコードです。
現金は落としたら戻ってこないというのも理由ですが、キャッシュレスの方がポイントの還元があり金銭的にもお得だと感じています。

私は大阪市内に住んでいるのでキャッシュレスのインフラが整っているということもありますが、通勤では財布を持っていかないことが多いです。
スマホケースに定期のICカードとクレジットカードを入れていれば、お金に困ることはあまりありません。

財布を2回も落としたという痛い経験もあり
私は現金を持つことはリスクが高いと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。