人間の脳は朝起きてから3~4時間程度が一番冴えていると言われています。
ビジネスマンであれば、午前中にできるだけ大事な仕事や頭を使う仕事をした方が効率的です。
とはいえ、午後からの仕事も疎かにするわけにはいきません。
どうしても昼食後は眠くなって作業効率が落ちる。
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
2019年4月からは働き方改革により、できるだけ残業をさせずに定時までに仕事を終わらせようと努力している企業が増えてきました。
社員の立場からすると会社からは「早く帰れるように」と言われても、仕事量が減るわけではありません。
そこで今、注目を浴びているのが、昼寝・仮眠です。
スペインやイタリア等、一部のヨーロッパでは昔から「シエスタ」と呼ばれる昼寝の習慣があります。
昼から20分程度の仮眠を取ることで午後からの仕事がはかどるというのです。
このような取り組みを最近日本でも徐々に取り入れる企業が増えてきています。
広島大学の林光緒教授は、職場でも効率的な昼寝は有用であることを研究結果で発表しています。
効率的な昼寝とは15~20分程度の仮眠を指します。
林教授の研究結果によると昼寝をせずに眠い状態のまま長時間するよりも、15~20分程度の仮眠を取って仕事をした方が作業効率がアップすることが明らかになりました。
目次
ふとんの西川は本社に「ちょっと寝ルーム」を設置
日本最大手の寝具メーカー「西川(株)」は2019年2月4日より社内に「ちょっと寝ルーム」という名の仮眠ルームを設置しました。
西川(株)が1万人の睡眠事情を調査した睡眠白書2018によると1万人のうち約65%の人が睡眠不足を感じていることがわかりました。
毎日の積み重ねによる慢性的な睡眠不足のことを睡眠負債と言います。
睡眠負債をなくすためには、夜間に十分な睡眠時間を確保することが重要です。
しかし、残念ながら早く寝たくても寝る時間がない人が多いのが現状です。
そこで、今注目されているのが昼間の15~20分程度の仮眠による睡眠負債の返済です。
ちょっと寝ルームは15~20分程度の仮眠が取れるスペースとして利用されています。
仮眠後、スッキリ目覚めるためにはコーヒーが効果的
意外かもしれませんが、仮眠する前にはコーヒーを飲むと、よりスッキリと目覚めることができるようです。
コーヒーにはカフェインが含まれているので、眠気覚ましに飲むという方が多いと思います。
眠気覚ましを寝る前に飲むなんて、なんだか矛盾してる気がしますよね!?
実は、これにはちゃんとした理由があります。
コーヒーは確かに眠気覚ましの効果があります。
しかし、飲んだ直後に効くわけではありません。
カフェインの効果が出てくるのは摂取後15~20分後です。
つまり、入眠時、仮眠中は眠気覚ましの効果がなく、仮眠が終わるころに効き目が出てくるということです。
そのため、コーヒーは仮眠前に飲む最適の飲料と言えます。
東京 大井町にネスカフェ運営の「睡眠カフェ」がオープン
2019年3月6日、東京都 大井町駅近くにコーヒーで有名なネスカフェが運営する「睡眠カフェ」がオープンしました。
ここでは、ネスカフェのコーヒーを飲んだ後、仮眠や昼寝をするプランが組まれています。
仮眠・昼寝をビジネスにするなんて斬新ですよね!
いくつかコースが分けられていて、30分の仮眠コースから3時間の睡眠コースまであります。
営業時間は9時から18時で、ビジネスマンが休憩するために適した時間設定になっています。
これからの時代は「仮眠」も仕事の一部!?
現在、日本のビジネス界では「働き方改革」、「睡眠負債」「仕事の効率化」と言ったキーワードが飛び交っています。
これらの問題を解決するための手段の1つが「仮眠」です。
寝具メーカーの西川(株)を筆頭に今後、企業の取り組みとして仮眠に着目する会社が増えてくるかもしれませんね。
日本人の仮眠に対する考え方が変われば、企業も勤務時間内の仮眠を取り入れるようになると思われます。
企業として取り組まなくても、どこの会社でも昼休みはあると思います。
・昼からの仕事は眠くて集中できない。
・午後からの仕事の効率を上げたい。
そのような悩みをお持ちの方は、昼休みの間にコーヒーを飲んで15~20分程度の仮眠を取ってみてはいかがでしょうか?