NISA恒久化見送りの理由が意味不明な件

金融庁がNISAの恒久化を求めていたことに対して政府・与党が却下したという話題がニュースになっていました。

NISAとは2014年1月にスタートした投資による利益を非課税にする制度です。

投資額は毎年120万円までが上限で、最長5年間というルールがあります。

2019年10月現在のルールでは、投資期間は2014年~2023年に定められています。

2019年からNISAをはじめればギリギリ5年間運用できますが、2020年から始めれば4年間、2021年から始めれば3年間しか運用ができません。

NISAの運用期間が残り5年を切ってしまうということもあってか、金融庁はNISAの恒久化を提案しました。

個人的に、この提案は良いと思います。

普通の投資であれば、通常投資で儲けた分の利益の20%くらいは税金で引かれます。

しかし、NISAであれば利益に税金がかからず、利益分が丸々儲かります。

お得な制度ですよね!

利益に対して税金がかからない代わりに、年間投資額が120万円までと制限されているので、NISAは投資初心者向け、あるいは少額から投資を始めたい人向けの制度と言えます。

政府・与党はなぜNISAの恒久化を却下したのか?

政府・与党は金融庁のNISA恒久化の提案を却下しました。

なぜ、そんなことをしたのでしょうか?

政府・与党の言い分はというと

「現行制度は富裕層への優遇だ!」

と指摘しているからです。

富裕層への優遇・・・???

まったくもって意味不明ですよね。

NISAは年間で最大120万円の取引が可能となっていますが、120万円使い切らなければいけないというルールは有りません。

たとえば年間10,000円でも取引ができます。

政府はNISAの制度を理解して発言しているのでしょうか?

年間120万円投資できる人=富裕層みたいなイメージで議論をしているようにしか思えません。

ちなみに、NISAではなく、つみたてNISAに関しては現行、年間40万円以内の投資額で運用期間は最長20年ですが、こちらについては恒久化の議論が進んでいます。

つみたてNISAに関しても年間40万円も使い切る必要はなく、年間10,000円とかでも取引可能です。

こう考えるとNISAもつみたてNISAも富裕層でなくても気軽に始められる制度であることが、ご理解頂けると思います。

このことから政府のNISAは富裕層への優遇発言は、全く的を射ていないことが言えます。

多分、政府の認識は、こんな感じなんじゃないでしょうか?

NISA・・・年間120万円投資可能=富裕層

つみたてNISA・・・年間40万円投資可能=庶民向け

だとしたら、ひどい誤解ですよね。

NISAもつみたてNISAも上限はありますが、下限はありません。

だから、投資初心者でも気軽に投資が始められるのです。

元本割れが怖いのであれば、ポイント投資といった制度もあります。

楽天証券であれば、楽天市場等で貯めたポイントでNISAの商品を購入することができます。

ポイントであれば、多少元本割れしても諦めが付きやすいのではないでしょうか?

私の場合、つみたてNISAで年間40万円積立していますが、そのうちの72,000円はポイント投資によるものです。

現金で損をしたくないという方はポイントだけで投資するやり方もあります。

NISAは年間120万円も投資する必要はないし、ポイント投資だけであれば現金を1円も使わずに投資することができます。

どう考えてもNISAが富裕層向けの制度とは思えません。

NISAが富裕層向けではなく庶民向けの制度である理由は他にもあります。

まず、庶民であれば年間120万円も投資に充てられる人は少ないからです。

NISAをしている人=年間120万円投資している人とは限りません。

毎年120万円も投資できる人は稀でしょう。

何が言いたいかというと庶民にとってNISAがあることで投資金額すべてが非課税の対象になり得るということです。

富裕層の場合、年間で投資できる金額が120万円以上あると思います。

NISA枠の120万円までは非課税になりますが、それを超えた投資金額は、通常の投資扱いになり、約20%の税金がかかります。

富裕層になればなるほど、NISAの上限では物足りなくなり、結局高い税金を納めなければいけません。

このことから、今回の政府・与党のNISA恒久化見送り発言は、とんだ見当違いなんじゃないかなと思います。

個人的には、NISAではなく、つみたてNISAを利用しているのでNISAの恒久化はどっちでも良いと言えば、どっちでも良いのですが、NISAやつみたてNISAはもっと普及すべきだと考えているので恒久化に賛成しています。